信賞必罰により禍根を断つことが死者への追悼

【OCNブログ人アマがえるブログ20110505記事を転載します(文責・日吉圭)】

2011年5月4日の時点で、東日本大震災による死者は1万4785人、行方不明者は1万271人である。


行方不明者は津波で海にさらわれ、人知れず海底で屍となって横たわっていることは論を待たないが、彼らは死の間際までどのようなことを考えていたのだろうか?


筆者は今回の大震災で何を一番許せないかと言えば、イルミーの手による原発テロよりも、気象庁が当初津波の規模を過少に報じたことをまず第一に挙げる。


どれだけアナウンサーが声を枯らして「高台に避難して下さい」と叫んでも、一方で「3メートルの津波が来ます」と言っていたのでは、聞き手の油断を増長するだけである。


それならばむしろ何も喋らず悲鳴だけ上げていた方が、正しく危難を伝えられただろう。


筆者は無念の思いで亡くなっていった方々を追悼するために、まず成すべきことは、今回の地震被害を軽減することに功のあった人を賞し、増大する原因となった人を罰することであると思う。


日本人は心優しいので、恐るべき事故に遭われた方でも、他人を恨まず、「自分の経験が次の事故を防ぐのに役立つならばそれでいい」と言っているのを耳にすることがある。


恐らく今回の地震で亡くなられた方々もそう考えているだろう。


しかしこれだけの大被害を齎す原因を作っておきながら、その主犯がのうのうと高いびきをかいていたのでは、それらの者たちは罰せられなかったことによってさらに図に乗る。


するとその者とその後継者たちによって、未来により大きな被害が齎されるに違いないのである。


海底で眠る死者たちの思いを正しく行政に反映させることが出来なければ、災害を免れた者たちはそれらの者たちを犠牲にして生を貪っていると非難されよう。


死者を真に悼むということは、勇気を奮って彼らの願いを叶えてやることに他ならない。


そこでまず事実を確認するために、朝日新聞マイタウン岩手の4月23日の記事を引用する。


東日本大震災で津波を知らせる防災行政無線の放送内容は、被災した沿岸自治体ごとに違っていた。

予想された津波の高さを知らせず、「とにかく逃げて」と訴えて功を奏した自治体もある一方、「高さ3メートル」と放送したため、2階に避難すればいいと判断して被災した人が多い自治体もある。

行政は何をどう伝え、市民はどう対処すべきか。課題を残した。

3月11日、気象庁は地震発生3分後の午後2時49分に大津波警報を発令し、1分後に県には高さ3メートルの津波が来ると予想した。

これを受け、釜石市は午後2時50分と同52分に「高いところで3メートル程度の津波が予想されます。海岸付近の方は直ちに近くの高台か避難場所に避難するよう指示します」と市内96カ所のスピーカーで放送した。

気象庁は津波予想を、午後3時14分に6メートルと切り替え、同31分に10メートル以上とした。

しかし、市は停電で気象庁情報を伝えるメールを県から受け取ることができなくなっていた。

この間、避難を指示する放送を6回繰り返した。

その結果、市民の中には「津波は3メートル」と思い込み、2階に避難すれば大丈夫と判断した人が多かった。

実際には、釜石港には約9メートルの津波が押し寄せたとみられている。

2階建ての同市鵜住居地区の防災センターには周辺住民150ー200人が駆け込んだが、2階まで被災し生存者は約30人だった。

避難した古川悌三さん(72)は「もっと高い津波と知っていたら山に逃げた」と話す。

同市の漁師坂本正男さん(55)は地震発生時、海辺の倉庫でワカメの加工作業をしていた。

「立派な防潮堤があるので、3メートルの津波なら避難しなくていいだろう」と思ったという。

だが、外に出てみると、すさまじい音が海から聞こえ、慌てて逃げた。

「妹と義兄も見つかんねえ。こりゃあ人災じゃねえか」と憤る。・・(中略)・・宮城県では当初から6メートルの大津波警報が出ていたが、放送内容は自治体によって違っていた。

南三陸町では、地震直後から「6メートルの津波が来ます」と防災無線で呼びかけた。

無線を聞いて高台に避難した町民も多かったが、実際の津波は15メートルを超えており、3階建ての防災対策庁舎が水にのまれて、多くの町職員が犠牲になった。



さて、筆者はこの記事の最後の部分には同意出来ない。


NHKが報じた予想される津波の最大規模は宮城県でも「4.1メートル」だったのであり、これを「10メートル以上」に切り替えたのは、地震発生から30分以上も後のことだった。


気象庁は当初から6メートルと報じていたのに、NHKのミスで4.1メートルと報じられたというのだろうか?


うやむやにされてはならない。


最大限の注意をもって厳密に検証しなければならない。<1380>

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